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胸水の症状,余命,溜まる原因と胸水の漢方治療,対策法について

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胸水とは

肺の外側は胸膜という膜で覆われています。胸膜は胸壁側と肺側を覆う胸膜の2重構造になり、その2枚の間に溜まった水を「胸水」と言います。胸水は元々、健康な人にも少量の水が溜まっており、呼吸をしたときに肺と胸壁がこすれるのを防ぐ潤滑油の役割をしております。

この胸腔内にある水は外側の胸膜でつくられて、内側の胸膜に吸収される仕組みになっており、一定量に保たれていることが正常です。しかし何らかの原因でこのバランスが崩れると胸腔内に異常な量の水が溜まり、このような状態を「胸水貯留」と言います。

胸水の症状

貯留量により自覚症状がない方もおりますが、胸水が異常に貯留すると以下のような症状が出ます。

・咳が続く、咳込みが激しく嘔吐してしまう、寝ている時も咳が出て眠れない

・呼吸が苦しい、呼吸が浅くなる

・少しの運動・階段の上り・坂道で息が上がる

・息切れ、動悸がする

・すぐ息が上がるので、生活に支障が出る、少しの距離でも休憩しないと歩けない

・声が出しづらい、声がかすれる

・食べ物が飲み込みにくい、喉を通らない

中には酸素濃度が低下してしまい日常生活で酸素マスクが必要な方もいます。

また胸水から「腹水」「浮腫み」が出る方もいます。胸水が溜まるスピードが早い人は、ドレーン(管)をつけっぱなしにし、少量ずつ抜く人もいます。胸水が溜まる事での苦しさを取り除くがための処置ですが、管がずれやすい為、痛みや熱が出やすくなったり、免疫が低下している状態なので感染症にも気を配る必要があります。

胸水が貯留する原因

胸水が溜まる原因は大きく分けて「滲出性」「漏出性」の2つに分類されます。

滲出性胸水」

滲出性胸水とは炎症によって、血管から水分がしみ出てしまったり、胸膜リンパ系通過障害で起こる胸水です。主な疾患は肺がん、白血病、リンパ腫、悪性胸膜中皮腫などの悪性腫瘍(癌)、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫性疾患、肺炎や結核などの感染症です。

 

漏出性胸水」

漏出性胸水とは静脈圧の上昇や血液中のタンパク質の濃度の減少により、浸透圧が低下して起こる胸水です。主な疾患はうっ血性心不全や肝硬変、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、低アルブミン血症などです。

 

胸水の検査方法

胸水が溜まっているかどうかは胸部のエックス線検査(レントゲン)や超音波検査、CTなどの画像診断で分かります。胸水が溜まった原因を特定するために、溜まっている部分に針を刺して胸水を少量採取し、その中にいる細菌の種類やがん細胞の有無を調べます。

胸水の病院治療

利尿剤

一般的な胸水の場合はフロセミド、ラシックス、アルダクトン、スピロノラクトン、サムスカなど利尿剤が処方されます。利尿剤は腎臓に働きかけて尿量を増やすお薬です。

アルブミン製剤

漏出性胸水で低アルブミン血漿を起こしている場合は、アルブミン製剤の投与を行い、浸透圧を高めて胸水を減らしていきます。

胸水穿刺

胸に針を刺して胸腔内に貯留した胸水を注射器で抜く方法です。この場合、多くても1000ml位しか抜けません。

胸膜癒着術

難治性胸水の場合は胸水を抜いても又すぐに溜まってしまいます。その場合は2枚の胸膜を薬剤(タルク、ピシバニールなど)を使い、故意に炎症を起こさせて癒着させる方法で、胸水が溜まる隙間を閉鎖します。しかし、一度癒着してしまった胸膜は二度と剥離させる事が出来ないというデメリットがあります。適応疾患は癌性胸膜炎です。副作用としてよく見られる症状は発熱、疼痛です。

漢方対策方法

胸水の漢方対策としては「血流向上」「水分代謝向上」「アルブミンを高めるための肝機能向上」「消炎・解毒」などの対策を行っていきます。特に血流を改善することが重要で、血流を良くすることで各臓器の機能向上させ、正常化をはかることで、体内全体の水分代謝を上げていきます。また、血流が良くすることで肝臓内血流も向上するため、肝機能向上に繋がり、アルブミンを作る働き「蛋白合成能」を高める事にも繋がります。

アルブミンに上昇が見られると、血管の外に漏れ出した水分を血管内に引き込み、貯留した不要な胸水は血流にのり、排出へと繋がっていきます。また、胸水の排出に関わってくる「尿・便」の排出を促進するために腎臓内の血流改善や大腸内の血流を高めることで腎機能、大腸の機能を活発にさせる対策も行っていきます。

更に炎症抑制の対策も同時に行います。炎症が長期間続くと、血液にも炎症から起こる熱が伝わる為、熱を帯びた血液はドロドロとした状態になります。ドロドロとした血液は血流を低下させてしまうため、胸水が溜まる根本的な原因に繋がってしまいます。胸水貯留以外にも体の炎症は病気の進行にも繋がるため、炎症の対策は優先して行っていきます。

上記の対策により、結果、体全体が安定することで胸水の排出、貯留がしにくい体に向かっていきます。

まとめ

胸水の症状によって「呼吸がしにくい」「息苦しい」「胸の痛みが酷い」「少し歩くと激しい動悸がする」「食事が摂れない」など様々な辛い症状を伴います。胸水の影響で中には体が弱ってしまいお亡くなりになられる方もいらっしゃいます。胸水に対しての病院の治療により、症状が緩和され、体が楽になる方もいらっしゃいますが、あくまでも対症療法となり、病院の治療の強い効果や作用により、体に負担を与えること事もあるようです。

病院の治療も効果があり、非常に良いものだとは思いますが、他にもご状態にあった治療もあると思います。病院の治療と漢方薬を併用されることで体が楽になる等のメリットもあります。また、中には病院治療のデメリットを軽減させる事もありますので、病院の治療と併用して試してみる価値は十分にあると思います。

少しでも胸水でお辛い方、お悩みの方のご参考になればと思います。

胸水でお悩みの方は是非ご相談くださいませ。

様々な病気の症状や原因、漢方の相談サイト『相談堂』

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薬剤師 中尾典義

代表取締役社長榎屋相談薬舗㈱
薬剤師免許取得。吉富製薬㈱東京研究所 研究員に従事。その後、病院の薬剤師として臨床経験を積む。1995年家業である薬局を継ぎ榎屋相談薬舗㈱を設立。現在では元NPO日本抗老化医学会 実践指導士 ・(社)日本漢方連盟 漢方委員・ミス・ユニバース ジャパン 鹿児島 認定漢方講師など複数の肩書を持ち、多方面で活躍する。

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